未消化物とは?アーユルヴェーダから分かる病気の原因と予防策
「最近食欲がなくなった」「集中力が長続きしない」という方、もしかしたら体内に未消化物が溜まっていることが原因かもしれません。未消化物は、日々の生活の中で蓄積され、毒素となり、からだや心の不調や病気の原因。できる限り予防し、健康でいたいですよね。ここではそのために役立つアーユルヴェーダの智慧をご紹介します。私自身も毎日実践し、効果を感じられる方法ですのでぜひ参考にしてください。
Contents
未消化物がからだと心に与える影響とは
未消化物が体内にたまっていくと、どのような症状があらわれるのでしょうか。ここでは、からだと心にあらわれる症状とその原因について詳しく見ていきましょう。
未消化物とは
私たちのからだは、消化力がおちていたり、消化に負担のかかる食べ物を食べ過ぎたりすると、未消化物(アーマ)が生じやすくなります。未消化物は毒素であり、体内にたまると不調や病気の原因となります。そしてこれは、体だけでなく、心にもあらわれます。
たとえば、未消化物(アーマ)がたまると倦怠感、食欲不振、舌苔、便の沈みなどの症状がみられます。また、心に与える症状は、集中力の欠如、不安感、不眠、イライラ感などです。
未消化物を体内にためず、からだも心も健康でいるために、まずはアーマができる原因について詳しく見ていきましょう。
体質によって異なる未消化物が体内に溜まる原因
未消化物は、ドーシャ(生命エネルギー)が増悪し、消化力が低下することによって、体内に毒素として蓄積しやすくなります。増加しやすいエネルギーは、体質によって予測することが可能です。
たとえば、ヴァータ体質の人は、ヴァータのエネルギーを使った生活をする傾向にあります。ヴァータのエネルギーを使った生活とは、運動エネルギーをつかった生活のこと。つまり、心もからだもよく動かします。そうするとヴァータの特徴の症状があらわれやすくなります。それが一定以上のラインを越えると体調をくずしたり、病気になってしまったりします。
ピッタ体質の人は、消化エネルギーを使いすぎた生活。カパ体質は結合エネルギーを使いすぎた生活です。結合エネルギーを使いすぎた生活とは、安定しすぎて動かない、変化をすべきときに執着して動けないといった生活のことをさします。
増悪したエネルギーは、消化力の低下につながり、心とからだには未消化物がたまり、この未消化物が毒素として病素となり、病気となります。ですから病気を治療するには、その毒素を取り除いて、増えすぎた生命エネルギーをもとの状態にもどすことが基本です。未消化物の排泄は、健康にとってきわめて重要とされているのです。
アーユルヴェーダにおける病気の原因と予防策
ここでは健康的な毎日を送ったり、病気を予防するのに大切なアーユルヴェーダの智慧をご紹介していきます。私も毎日健康維持のために実践している方法です。以下で詳しく見ていきましょう。
アーユルヴェーダにおける病気の原因
アーユルヴェーダでは、自らの消化力以上の食物や情報、ストレスを体や精神にとり入れた結果、それが消化しきれず、未消化物として蓄積され、やがて毒素となり、心身の弱っているところで、病気として発症するというコンセプトがあります。
たとえばメタボリック症候群も、消化しきれなかった栄養が脂肪として臓器、血管に蓄積され、やがて高血糖、高血圧、高脂血症を引き起こすというわけです。
エネルギーのアンバランスは、それと相反する生活を心がけることで改善しやすく、回復も早くできます。しかし、アーマ(未消化物、毒素)が発生するところまでくると、改善・回復するまでに少し時間がかかってしまうので、アーマをためない生活を送ることが大切です。
日々の生活で未消化物をためずに病気を予防する方法
未消化物を体内にためないようにするためには、日々の生活のなかで、自分がもともと多くもっているエネルギーが増えすぎないように気をつけ、バランスをとっていくことが大切です。エネルギーが過剰となり症状としてあらわれた状態を「ヴィクリティ」と呼んでいます。増えすぎたエネルギーは外に出して、もとにもどすことが必要です。
ヴィクリティに対し、本来の体質を「プラクリティ」といいます。プラクリティは生まれながらのエネルギーバランスを意味し、ヴィクリティはそのバランスから過剰になった部分です。
たとえば、Aさんはプラクリティがピッタ・カパで、ヴィクリティはカパというような場合、増えすぎたカパを取り除くことが必要になります。
ヴィクリティは、毎日の生活の仕方や季節の変化によっても変動します。。いずれにしてもエネルギーバランスがきわめて重要なことがわかります。
食事や睡眠、運動でバランスのとれた生活を送ろう
ここまでで分かるように、病気の原因となる未消化物を増やさないためには、毎日のエネルギーのバランスを整えておくことが大切です。
エネルギーが過剰になったと感じたら、食事や運動、マッサージなどを取り入れてバランスを整えるように心がけましょう。私は、ピッタの性質が強いため、夏になるとピッタが増加し、お腹を下しやすくなったり、イライラしてしまったりする傾向があります。そういう時は、夏野菜を食べて熱を鎮静させたり、シータリーというピッタを鎮静する呼吸法で精神を落ち着かせたりすることを心がけています。みなさんもぜひ、自分に適した方法で、エネルギーをバランスさせ、未消化物の蓄積を防ぎ、健康を維持していきましょう。