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アーユルヴェーダ・プロフェッショナル・スクール

健康とは何か〜肉体的、精神的、社会的影響から自分を守るケア方法〜

健康意識が社会的に高まる今、健康とはどのような状態なのか気になりますね。いくら体が元気であっても精神的に疲れていては、それは健康な状態ではありません。私はアーユルヴェーダに出会い、実践していく中で、やっとこの意味を実感し、精神面のケアをする習慣の重要性に気がつきました。ここでは、アーユルヴェーダにおける健康の定義について簡単に解説したあと、私が実際に習慣化し、変化を実感できたケア方法をご紹介していきます。

アーユルヴェーダにおける健康の定義

アーユルヴェーダの大きな柱が健康法です。アーユルヴェーダは病気の治療だけでなく、健康の維持増進、さらには若返りのための日常生活の過ごし方など、総合的な生きる智慧を教えています。では、健康とはどのような状態のことを言うのでしょうか。以下で見ていきましょう。

健康とはどのような状態か

アーユルヴェーダは、健康をどのようにとらえているのでしょうか。内科の教典『チャラカ・サンヒター』、外科の教典『ススルタ・サンヒター』とも、冒頭は生命の定義からはじまっています。

   生命 = 肉体 + 感覚器官 + 精神 + 魂

生命とは、肉体と感覚器官と精神と魂が結合して影響しあった状態であるとしています。健康とは感覚器官や運動器官など肉体的な機能が正常に働き、精神と魂が純粋な状態です。5000年の昔からこうした生命観をもっていることは、非常に新鮮に思えます。

感覚器官、精神、魂、肉体の調和がとれた状態

人は、つねに外とのコミュニケーションによって生きています。コミュニケーションとは、食べ物を外からとり入れたり、情報を入手したりすること。その入り口は5つの感覚器官です。

外からの情報は、感覚器官を通じて大脳にもたらされます。大脳は表面部分の新皮質と深い旧皮質に分かれます。新皮質は、知覚、判断、思考、記憶など高次の精神活動を司っている場所です。旧皮質は本能や快・不快の感情といった無意識の脳の働きを受けもっています。

脳のさらに奥には間脳があり、間脳の視床下部は、からだのすべてをコントロールし、生命を維持している部分です。自律神経系やホルモン系、免疫系の中心であり、人間のホメオスタシスを維持しています。視床下部の指令で全身に情報が伝達されるのです。

つまり、私たちは外界からの情報を五感(感覚器官)でとらえて、その情報を大脳新皮質(精神)で知覚し、大脳辺縁系(魂)に伝え、自律神経系、ホルモン系を通して、全身(肉体)をコントロールしています。

このように、感覚器官、精神、魂、肉体の4つがすべてつながっていて、調和がとれた状態が健康な状態といえるのです。

精神と魂の違いとは

ここで難しいのは、精神と魂の違いです。哲学的な意味はちょっとおいておいて、医学的にいうと、精神とは私たちを取り囲む世界・環境の情報を知覚し、判断し、思考し、記憶する高次な精神活動をする大脳新皮質の働きのこと。一方、魂とは知覚した情報に対して、私たちが反応する動物としての本能、快・不快などの無意識な感情のことです。正直な気持ち、私たちの本質といったほうがわかりやすいでしょうか。

これは大脳の深い部分にある大脳旧皮質(大脳辺縁系)の働きです。この大脳旧皮質での反応が、肉体(全身)に情報を伝える脳幹の自律神経系とホルモン系に影響を与えています。

では、精神や魂のケアがなぜ必要になるのでしょうか。それは人間が人間であるがゆえに、精神や魂のコントロールがむずかしく疲れてしまうからです。

人間と動物の大きな違いは、脳の中でも大脳新皮質が発達している点です。大脳の新皮質が発達したことにより、人間は、時間・空間・人格といった概念を持つことができます。これによって私たちはこの世に生を受けたことを大いに楽しむことができるのです。しかし、これは疲労の原因にもなります。

記憶という能力を体得したおかげで、私たちは時間という概念をもちました。過去から未来という時間を行ったり来たりしながら、過去の出来事をありありと今思い起こし、また、まだ起こっていない未来のことをありありと想像することもできます。

このようにして人間は、1日中過去を思い悩んでは悔いることをし、未来に思いを馳せては不安を募らせることをし続けているのです。これを人間の自我といい、自我こそが、精神や魂の疲れの原因だと思います。

アーユルヴェーダでは5000年も前から、生命の定義をこのように言っていることに私はかなり驚きました。心とからだは影響し合いながら、私たちは生きています。肉体や感覚器官、そして感情や精神までもが衣の一部で、人間の本質が幸せで楽しくあるように、その衣を健やかで軽やか、キレイにしておきたいものです。

肉体的、精神的、社会的影響から健康を守る方法

自我にさいなまれて、頭がいっぱいになってしまうのが心の疲労の原因であり、この疲労の原因から一瞬離れて、今この瞬間に、自分自身に意識を向けることが大切です。そのために誰でも簡単にできる方法がアーユルヴェーダやヨーガ、瞑想、呼吸法なのです。

いずれも呼吸や現在の肉体の一部に意識を集中していきますが、呼吸こそが、今、ここに、私、そのものを感じることができる方法です。呼吸に集中して、過去や未来を頭の中で膨らませることなく、いま自分の肉体で起こっていることや、現在の呼吸の音を客観的に観察してみましょう。1日のどこかで呼吸に集中する時間をとると、時間や空間といった概念から解き放たれ、自分自身の今この瞬間に向き合うことができます。

私も、呼吸に集中し、常に動き続ける思考や感情を落ち着かせることを習慣化しています。すると、自然と深い呼吸ができるようになり、肉体的にも体力がつき、健康であることの喜びを実感できるようになりました。皆さんも是非試してみてください。

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