便秘解消効果のあるアーユルヴェーダのディナチャリアとは
デスクワークをする女性から、多く受ける相談のひとつに「便秘」の悩みがあります。便秘をしていると、おなかが重く感じたり、張ったりして、気持ちもなかなか明るくなれません。できれば薬に頼らずに、自然に解消したいものです。スクールに通った生徒さんの中には、毎日ある習慣を取り入れることで便秘を解消できた方が多くいらっしゃいます。ここではその方法をご紹介していきます。
便秘をアーユルヴェーダの理論に基づいて考える
アーユルヴェーダでは、便秘は基本的にヴァータの乱れが原因であると教えています。ヴァータは運動エネルギーであり、神経系に関係しています。体が冷える食べ物を食べたり、体が乾燥すると、ヴァータが悪化。すると、運動エネルギーや神経伝達力が乱れ、心や体に色々な症状が現れます。その一つが便秘です。
それだけではなく、カパの異常が原因になることもあります。カパは結合エネルギーであり、カパが乱れると体内の循環や働きを滞らせたり、体を重く鈍くなったりしてしまいます。
排便は消化の最終工程です。便秘によって動きが滞ってしまうと、そこから毒素がからだに吸収されてしまいます。老化の進行や病気の発生を招くもとになるので、できる限り避けたいものです。では、薬などには頼らずに、毎日の生活スタイルを見直すことで便秘改善をすることはできるのでしょうか。
もう便秘薬には頼らない!アーユルヴェーダで自然に便秘解消
アーユルヴェーダが勧める毎日の生活習慣の中で、ヴァータとカパのバランスを整え、便秘改善につながる方法があります。
私の学校でディナチャリア(1日の過ごし方)を実践した方たちから、つぎのような声が寄せられているので紹介しましょう。
・アサミさん「毎日1回はお通じが来るようになった」
・トモミさん「便通がとてもよくなった」
・ユキさん「お通じが大体同じ時間に来るようになり、吹き出物が減った」
・テルミさん「体調とお通じのリズムがリンクしながら変化していくのを感じた」
・ワカナさん「毎日規則正しくお通じがあるようになった」
共通するのは、便通がよくなったことと、そのリズムが規則正しくなったということです。
ディナチャリアでは、生活面に対するさまざまなルールがあります。それを規則正しく守ることで、からだ全体の流れのリズムが整い、便秘にも効果が出ているのです。
便秘解消に効果的な毎日の習慣
ディナチャリアのなかでも、とくにわかりやすいものは、白湯を飲むこと、決まった時間にトイレにいくこと、そして腹部のオイルマッサージです。以下で順にご紹介していきます。
白湯を飲む
まずひとつ目は、白湯を飲む習慣です。朝おきがけに常温の水を一杯飲みます。これは寝ている間に汗と呼気で失った水分を補うためです。また、これは胃を刺激して、大腸反射を促します。そして、この後朝食からをこまめに白湯をとることをおすすめします。白湯を飲むことで、温まり潤うため、ヴァータの冷性や乾燥性を整えることが可能です。
普段の食事においても、ヴァータの乱れの原因となる、冷たい飲食物をさけ、温野菜や海藻など食物繊維をたっぷり含んだ温かい食物を取り入れましょう。
早起きをする
朝早く起きてゆっくりとトイレに入る余裕をもつことも自然に大腸反射のリズムがついてくるといわれています。毎朝決まった時間にトイレにいくというのが大切です。また、アーユルヴェーダでは、早起きをすることで、精神的に落ち着ついて1日をスタートできると言われています。朝早くとは、日の出の約1時間半前。ただ、四季のある日本では難しいと思うので、6時前後に起床するようにするといいでしょう。精神的に落ち着いた一日をおくることも自律神経のバランスを整え、便秘解消につながっていくことでしょう。
オイルマッサージ
腹部のオイルマッサージも便秘解消には効果的です。朝、ベッドに横たわったまま人肌に湯せんして温めたセサミオイルを使い、腸の動きに沿ってゆっくりとマッサージしてみてください。
マッサージはヴァータの鎮静にとても効果的です。また、セサミオイルは、体を温める効果があるのでヴァータやカパを整えるのにぴったりのオイル。体の循環が高まるので、カパの悪化によって滞っていた腸の動きの改善にも役立ちます。
但し、便秘の原因は体質や生活習慣などによってさまざま。体質ごとに望ましい過ごし方(ディナチャリア)を実践することでトータルにバランスが整い、解消していきます。そういう意味では、便秘は生活習慣やストレスの状態を見直す良い機会とも言えますね。