クライアントに向き合うことは自分にむきあうこと

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クライアントに向き合うことは自分にむきあうこと

何か特定の仕事に興味をもった時、次に思うのは、「私はこの仕事は向いているのだろうか?才能があるのだろうか?」ということではないでしょうか。では、セラピストに向いているのは、どんな人でしょうか。

それは、自分自身を癒し、受け入れ、自分を幸せにしようとし続ける人、です。
自分自身を最大限に生きようとしている人とも言えます。

え?人を癒すのに、自分のこと?と思うかもしれません。でも、まずは自分からなのです。

苦手なタイプのお客様

様々な人がお客様として目の前に現れます。良い印象を持つ人もいれば、特に理由はないけれど、なぜかちょっと嫌だな、苦手だなと感じるような人もいます。

自分の投影

人は、自分が認めたり、受け入れたりすることができていない自分の一部分を、色濃く持っている人に対して、その部分を自分の投影として反応し、ネガティブな感情を感じるようにできています。

たとえば、自分の要求や思いを口にするのが苦手なセラピストの元に、「部屋が寒い」「もっとしっかりオイルをふき取ってほしい」「もっと強く」「違う!それじゃ強すぎる」と要求が多いお客様が来たらどうでしょうか。きっとイライラしたり、緊張したりして、良い接客どころではなくなります。

自己成長のテーマ

プロなんだから、と平静を装うのは一時凌ぎとしてはありですが、ずっと続けることは消耗してしまうのでお勧めしません。

そこで、自分のことを、自分の要望を口にするのが苦手という自分に向きあい、自分の思いや気持ちを表現すること、困ったことがあったら、助けを求められる自分になるように、自分を成長させるチャンスと捉えて、向き合うことが大切です。

自分を癒すことが、人を癒すことにつながる

なぜ要求が多い人に対して、その要求がもっともであったとしてもイライラするのでしょうか。

幼い頃の経験

多くは幼少の頃、親に気をつかったり遠慮をして、わがままを言ったり、お願いを叶えてもらったりすることが出来なかったという経験がベースにあります。

お願いと言ってもそんなに大きなことではなく、親を呼んだら家事や仕事の手を止めて、自分を見てくれる、話を聞いてもらう。だけどそれを満足には叶えてもらえなかった、そんな小さなことの積み重ねです。

未消化な感情を消化する

まずは、自分が傷ついた過去の出来事に気づき、受け入れる。それが出来たら、その怒りや悲しみをしっかり感じること、その上で、本当はどうしてほしかったのかを言葉で表現してみます。そうすることで、過去の未消化だった(満たされなかった)感情が消化されていきます。

これを繰り返していくことで、自己表現ができるようになり、人の要求も満たせるものは満たし、自分の技術やサービスの向上に役立てることができます。そうでないものはそう言葉で伝えることができるようになり、ストレスをためこまず、コミュニケーションが円滑になっていきます。

怖くても、少しずつ自分を取り戻していく

しかし、未消化な感情を消化していく過程は、面倒に感じたり、なぜだか分からないけどやりたくない気持ちになったりすることがあります。それは、未消化な感情をつぶさに拾い上げ、大切なものとして扱うことは、自分の在り方をガラッと変えてしまうほどの可能性があるからです。

それがより自分らしくなる方向への変化だとしても、人は変化そのものを怖いと感じる生き物です。未消化な感情を溜め込むということは、数年、十年、数十年間、「大したことない」「みんな我慢してるし」「このぐらいよくあること」「こんなことで騒いでいたら社会人としてやっていけない」と自分に言い聞かせながら、同じパターンを続けている状態です。
変化する怖さより、我慢する辛さの方がマシだと感じやすいのです。

ですが、少しずつ変えやすい分野・範囲から。対応や行動を変えていく、というのはとても大切です。

お客様に共感するには

自分に向き合い、意識をこのように働かせることで、大小さまざまな傷つきの積み重ねが、今の自分にどう影響しているのか、何を困難にしているのかを理解できるようになります。その理解の積み重ねが、目の前のお客様の辛さを理解し、共感を示すスキルにもなります。

共感とは、同じ気持ちになることではなく、自分の体験から感情の記憶を呼び起こして、目の前の人が感じていることを理解しようとすることです。

自分のポジティブ・ネガティブ全ての感情に正直であるほど、共感できる感情や場面が増え、相手に伝わる共感の深さも増していきます。そう考えると、傷つきを癒した経験や、その時何が起こっていたのかを理解できたとき、セラピストにとって大きな財産となります。

他人は自分の写し鏡

ヴェーダには【Loka purusha samya】という言葉があります。
大きい宇宙(loka)と、小さい宇宙・人間(purusha)は同じ、という意味です。大きい宇宙とは、いわゆる宇宙だったり自然のことを指しますが、解釈を広げると自分以外のもの全てということです。

他の人やお客様を見て感じることは、自分が、自分自身について感じていることなのです。自分に対して理解と慈しみを持つことは、他の人にもそうすることと同じです。自分を生かし、幸せに生きようと努めることは、他の人にもそうすることと同じです。

だから、セラピストに向いている人とは【自分自身を癒し、受け入れ、自分を幸せにしようとし続ける人】
そのことを通して、人にも自然と与えたい気持ちが湧いてくる人ということなのです。

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ライター

アーユルヴェーダセラピスト木代明子

木代明子
”出せる”身体、望みを叶える身体を作る。ワータ・ピッタ体質。主にさいたま市で活動中。
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2011年に英国アーユルヴェーダカレッジに入学。マッサージ実技のアシスタントの経験もあり。リハビリ職の作業療法士としての仕事も継続中。

極度の冷え性とアトピーを克服すべく様々な健康法を試す中、アーユルヴェーダに出会う。ハードな家庭環境に育ち、それ由来の生きづらさを解消するべく様々なセラピー、癒しや感情についての学びと実践に取り組む。幸せに生きるための心身を作るサポート、知恵を広げる活動を実践中。

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