健康、自然、美容に役立つアーユルヴェーダとは?歴史や体質について簡単にご紹介
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簡単にわかるアーユルヴェーダの魅力とは
最近、「アーユルヴェーダって何?」「簡単に知りたい」と思う方が増えてきました。私は、人生を楽しみたい、自分らしく美しく生きていきたい、と考えるすべての方々にとって、アーユルヴェーダはとても理にかなった智慧だと確信しています。ここではアーユルヴェーダについて簡単にご紹介!あなたの生活に取り入れ、人生をさらに充実したものにしていきましょう。
アーユルヴェーダとは
ここではアーユルヴェーダとは何か、そして、生命や健康について考えていきます。
アーユルヴェーダの意味
アーユルヴェーダ(ayurveda)とは、サンスクリット語のāyuṣ(生命)とveda(知恵、科学)が結びついた言葉です。「生命の科学」「長寿の科学」を意味し、さらには「生命を楽しむ方法を教える科学」という意味もあります。
草木のひとつひとつ、さらに、葉っぱの細胞、それを構成する分子までをも見るのが、現代の生命科学であるのに対し、草木が集まって森林となり、森全体を見て生命を理解するのがアーユルヴェーダです。
人間を、そして生命を理解するのに、アーユルヴェーダと現代の生命科学の両方からのアプローチが大切だと私は思っています。ですから、私が経営する英国アーユルヴェーダカレッジでは、アーユルヴェーダの基礎理論はもちろん、現代の生命科学にもとづく、解剖生理学や栄養学なども取り入れ、わかりやすく伝えることを大切にしています。
生命とは何か
アーユルヴェーダでは、生命は、肉体(Body)、感覚器官(Senses)、精神(Mind)、魂(Spirit)の4つの要素が結合し、支えあうことで存在しているといっています。そしてこれが、アーユルヴェーダの生命の定義でもあります。
アーユルヴェーダにおける健康とは、感覚器官や運動器官など肉体的な機能が正常に働き、精神と魂が純粋な状態であると考えています。
アーユルヴェーダでは、この4つの要素をホリスティック(holistic)に扱っているため、治療、ケア、トリートメントは、これらすべてが対象です。つまり、私たちが健康で幸福に生きるためには、この4つのすべてを正常で純粋な状態に維持する必要があります。
インド、スリランカ発祥のアーユルヴェーダの歴史
現在、世界には独自な医療が5000以上ある中で、アーユルヴェーダは最も古い歴史を持ち、あらゆる医学に影響を与えているといわれています。ここではそのアーユルヴェーダの歴史について簡単にご紹介していきます。
アーユルヴェーダは世界三大伝統医学のひとつ
アーユルヴェーダの教えの元であるヴェーダの起源は紀元前2000年。さらにその発祥をたどると5000年前にさかのぼります。
アーユルヴェーダは中国医学やユナニ医学(イスラム圏の伝統医学)と並んで、世界三大伝統医学のひとつです。
アーユルヴェーダは、中国、ペルシャ、チベット、タイ、インドネシアなどに伝えられました。ユナニ医学は、西に広がってヒポクラテスのギリシャ医学、さらには西洋医学へとつながっていきます。そして、中国医学は日本に伝わり漢方医学となりました。
伝統医学の広まり方を見ると、各種伝統医学はどれもインドから広まったということがわかります。つまり、アーユルヴェーダは、それぞれの国の伝統医学や伝承医療の確立に影響を与えているのです。
ではなぜ、アーユルヴェーダがあまり日本に普及してこなかったのでしょうか。それには、19世紀から20世紀半ばの間、インドやスリランカの植民地時代によって、アーユルヴェーダの暗黒の時代が続いたことが関係しています。その間に西洋医学が普及し、アーユルヴェーダは時代遅れとして追いやられてしまったのです。独立後にようやく復活するようになり、今に至ります。
エステが話題!現代から見るアーユルヴェーダ
現代では、アーユルヴェーダは再び科学として盛んに研究されはじめました。またこの20年ほど、リゾートスパなどで行われるオイルトリートメントとして多くの女性に知られるようになっています。日本でも美容やリラクゼーションの分野で注目を集めていますが、もともとは医学であり医師による治療です。
アロマテラピーは現代医学から発展しましたが、香りで神経を鎮静するという考え方はアーユルヴェーダが発祥。つまり、もとをたどれば、アロマテラピーもアーユルヴェーダに行き着きます。
またタイ式マッサージは、一説にはアーユルヴェーダの名医でお釈迦様の主治医でもあったジーヴァカが、インドからタイに持ち込んだといわれています。また、古代中国で行われていた白内障の手術も、インドの方法が伝えられたと考えられているのです。
アーユルヴェーダにおける体質
長い歴史のあるアーユルヴェーダは、体質というものを非常に重要と考えています。自分の体質を知ることによって、からだの調子を予測することができるからです。それでは体質を決めるのはいったい何であるとアーユルヴェーダでは言っているでしょうか。以下で詳しく説明していきます。
ドーシャとは
アーユルヴェーダでは、からだを単なる物質とはとらえていません。脈拍や呼吸、体温調節などのからだや心の状態の変化に、目には見えない生命エネルギーが働いていると考えています。目に見えないものというのは現代医学が扱わない部分であり、目に見えない生命エネルギーから体質を知り、体質からあらかじめ病気を予測するのが、アーユルヴェーダの大きな特徴です。
生命エネルギーはサンスクリット語で「ドーシャ」といい、ヴァータ、ピッタ、カパの3種類であり、ます。ドーシャとは、「不純なもの」「乱れやすいもの」というのがもともとの意味です。そのため、ドーシャが増えすぎると体で悪い働きをします。つまり、これら3つのドーシャのバランスを取ることが大切なのです。
3つの生命エネルギーのもとになるのは、空、風、火、水、土の五元素です。五元素からすべての物質が成り立ち、私たちのからだのなかでも調和して作用しています。
ヴァータ体質の特徴
ヴァータは「風」という意味ですが、五元素の中で空と風からできています。
ヴァータ体質の人は行動派で、明るく、活発、話好きです。創造力豊かで流行にも敏感です。
バランスを崩すと落ち着きがなくなり、衝動的で集中力がなくなります。不安感が強くなり、抑うつ傾向になることもあるでしょう。体型はスリムで骨ばっています。頭痛、腰痛、循環器疾患、神経系疾患、大腸疾患などにかかりやすいため、注意しなければなりません。
ピッタ体質の特徴
ピッタは「火」という意味ですが、五元素の中で火と水からできています。
ピッタ体質の人は頭の回転が速く、知性派です。情熱的でもあり、リーダーシップをとりやすいタイプです。ブランド好きなところがあります。
バランスを崩すと、短気で怒りっぽくなります。ほどよい体型をしているのも特徴です。汗っかきであったり、体臭や口臭が強くなったりすることもあります。肝疾患、胃潰瘍、アルコール依存症、皮膚病などにかかりやすいため、注意しなければなりません。
カパ体質の特徴
カパは「水」という意味で、五元素の中で水と地からできています。
カパ体質の人はマイペースで落ち着きがあり、精神が安定しています。寛大で献身的であり、癒し系タイプです。バランスを崩すと、怠惰、鈍感になりやすくなるのが特徴です。だるさや眠気が強くなり、何もやる気がなくなります。逆に物事にこだわり過ぎて、執念深くなることも。アレルギー性鼻炎、気管支炎、喘息、肥満、糖尿病などにかかりやすいため、注意しなければなりません。
アーユルヴェーダで内面から美しさを手にいれよう
アーユルヴェーダは自分を知る理論です。健康を維持し、不調の症状を改善するためには、まず、肉体的な体質を知ることが大切です。そして、気候や季節によって常に変化するドーシャに適した生活をしていきます。それによって、人は「美しさ」を増進させるのです。「美しさ」とは、外面的な美だけでなく、自分の人生の意味を見出し、それにむかって、イキイキと輝いている状態であると、私はアーユルヴェーダに出会い気がつくことができました。この気づきをもっと多くの方に伝えていくこと、それが私の人生の意味のひとつにあると思っていいます。