ドーシャと時間の関係とは?生活リズムを見直して、毎日イキイキ暮らす方法
年齢を重ねるにつれ、今までとは異なる体の不調を感じている方は多いのではないでしょうか。アーユルヴェーダでは一日の時間や季節だけでなく、一生においても、ドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)のバランスが変わるため、なりやすい病気が異なると考えられています。では、いつまでも美しく健康でいるためにはどうすればいいのでしょうか。ここでは、私が実際に実践して、毎日がポジティブで軽やかになった方法をご紹介していきます。
Contents
アーユルヴェーダと時間
ここではまず、時間がドーシャに与える影響について説明していきます。
ドーシャとは
ドーシャとは、心とからだを支える生命エネルギーです。サンスクリット語では、本来「汚れやすいもの」「増えやすいもの」という意味もあることからわかるように、ドーシャは常に一定ではなく、様々な要因で刻一刻と変化しています。アーユルヴェーダでは、ドーシャをヴァータ、ピッタ、カパに分類し、これらのバランスをとることで病気の予防や健康の維持をかなえる方法を教えています。
時間のドーシャへの影響
では、ドーシャがバランスを崩す要因となるものは何でしょうか。その人がもっているドーシャのバランス(体質)、時間、生活習慣、ストレス、場所などがあげられます。
ここでは「時間」とドーシャの関係を説明していきます。一日24時間、ヴァータ・ピッタ・カパが4時間ごとに交代していきます。午前2時から6時はヴァータが増えやすい時間帯、午前6時から10時はカパが増えやすい時間帯、午前10時から午後2時はピッタが増えやすい時間帯であり、同様にさらに12時間、3つのドーシャが交代していきます。
また、一年を通して、ドーシャは変化していきます。春はカパが増えやすい季節、夏はピッタが増えやすい季節、晩秋から冬にかけてはヴァータが増えやすい季節になります。
そのため、ドーシャのバランスを整えて健康であるためには、一日の時間や季節におけるドーシャの変化を考慮しながら、その日の体調に合わせた食事や運動、マッサージなどを取り入れることが大切になります。
年齢によって変化するドーシャへの影響
さらに、ドーシャの変化は人間の一生においてもあてはまります。
一生の中でのドーシャの変化
ドーシャは、私たちの一生のなかで、以下のように変化していきます。
・0~20歳(子ども~成人):カパが優位
・20~50歳(成人~中年):ピッタが優位
・50歳以降(中年~高齢):ヴァータが優位
このように、人の一生においては3つのドーシャのバランスが変わると考えられています。
また、ドーシャは優位に働く座(場所)がありますので、あわせて考えると年齢によって体にあらわれる不調が変わるということも説明がつきますね。
子供の肌はカパそのもの
カパの特徴であるみずみずしさ、なめらかさ、まさに子どもの肌はカパそのものです。カパが働く座は胸から上と言われていて、子どもの頃は鼻づまりや喘息など呼吸器に関するトラブルが多くなります。
働きざかりは消火器系に注意
ピッタが働く座は、胃から十二指腸のあたりです。20代から50代までの働き盛りは、胃潰瘍や腸炎などの病気や不調が起こりやすくなるので注意が必要です。
ヴァータは老化のサイン
ヴァータは、冷たく乾燥という性質があります。加齢がすすむと皮膚は水分や油分が減り、シワが増えていきます。まさにヴァータが悪化した老化の症状ですね。そして、ヴァータが働く座は下腹部から下になりますが、年齢をへるにつれて便秘傾向が強まったり生殖器に関する病気などが増えたりします。
このように年齢によって、ドーシャのバランスは変化していくので、年齢に応じて、生活スタイルを工夫していく必要があります。アーユルヴェーダのディナチャリア(一日の理想的な過ごし方)や食事法、マッサージなどで、しっかりヴァータ対策をとることで老化の進行を遅らせることもできます。
生活リズムを見直して人生を好転させる
私自身、40 代でアーユルヴェーダに出会い、一日の時間や季節を意識しながら、その時間に何をして、どのように過ごすかを考えながら過ごすようになりました。自分の体質やその日の体調にあわせて、ディナチャリアや食事法などを実践し、習慣化してきました。
そして実感した変化は、
・そういえば、ここしばらく、頭痛薬、胃薬を飲んでない。風邪薬もほとんど必要としない
・実年齢より10歳くらい若く見られる(と思っているポジティブさ)
そして何よりも
・自分を大切にするようになった
・体も心もポジティブで軽やかになり、生きがいをもって充実した毎日を送っている
と感じられていることです。
美しく健康なからだや心を保ち続けたいと思う方は多いでしょう。アーユルヴェーダの智慧を知って、今この時間を意識して、今この時間と調和しながら、自分のライフスタイルを見直してください。ご自分の運命を切り開いて、より幸せな人生を歩んでいただきたいと思います。願いがあって行動すれば、運命は自分で変えていけるのです。
インド哲学では、こんなことをいっています。
願望があって、意図となり
意図があって、行為となり
行為があって、習慣となり
習慣があって、人格となる
人格が変われば、運命も変わる
生活習慣は、からだや心をつくります。そして、インドの賢者たちは、運命や人生も変わるともいっています。